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JALグループは、航空機の機体を洗浄するリモコン式ロボットを成田空港へ導入すると発表しました。導入するのはスウェーデンのAerowash社製のAW3というロボットで、今後必要な操作訓練を実施したうえで、2026年内に本格運用を開始する予定です。

JALのボーイング787型機、機体洗浄ロボットとロボットの操作員

スウェーデンのAerowash社製「AW3」機体洗浄ロボット

機体洗浄中のロボット

AW3は、1車種でナローボディからワイドボディまで様々な機種(ボーイング737、767、787、エアバスA350等)の洗浄に対応しています。動力は電動(バッテリー駆動)です。

AW3では、洗浄する対象機種の主翼・尾翼などの洗浄部位をあらかじめプログラムで登録しておくことができます。登録された洗浄部位を車体の操作パネルで指定し、作業員がリモコンのボタンを押すと、その部位の機体表面の近くまでロボットのアームが自動で接近します。

洗浄する対象機種の主翼・尾翼などの洗浄部位をあらかじめプログラムで登録しておく

登録された洗浄部位を車体の操作パネルで指定する

機体表面の近くまで、ロボットのアームが自動で接近する

ロボットの操作員が使うリモコン

それ以降の、ブラシを機体表面に接触させるあたりからは、作業員がリモコンで微調整しながら操作を行います。ブラシの先端部にはセンサー、アームの先にはカメラがあります。センサーはブラシが機体に近づきすぎて損傷するような事態を防ぎます。カメラの映像は手元のタブレットで確認ができます。

作業員がリモコンで微調整しながら、回転するブラシを機体に近づけていく

アームに取り付けられたカメラの映像

アームに取り付けられたカメラの映像は、iPadで確認できる

ブラシの下の黒い3本のつめ、ブラシの横のゴムはセンサー

車体が移動しながら、回転するブラシが機体を洗浄していきます。メーカーのカタログ値では、機体1機あたりの使用水量を最大50%削減できるとのこと。車体のタイヤは4WS(4輪駆動)で全方向に向きを変えられるため、機体周辺での柔軟な取り回しが可能です。

回転するブラシが機体を洗浄する

車体が移動しながら、ブラシを移動させる

垂直尾翼も洗浄できます。アームは最大20メートルの高さまで届きます。

垂直尾翼にアームを伸ばしたところ

ただし、このロボットは洗浄作業の全てを行うことはできません。胴体や翼などの広い部分はロボットで洗い、アンテナやセンサーなどの突起物、防水のマスキングをした部分などには引き続き手洗いが必要です。

オレンジ色のマスキングされた突起物の周囲は手洗いが必要

このロボットは、インドやマレーシア、カナダでの稼働実績があります。インドでは1機を左右2台のロボットで洗浄しているとのことです。

航空機の機体には、エンジンの排気ガスやオイルなどの油汚れ、空気中の汚れが雨水と混ざって機体表面に筋状の跡を残す雨だれ、火山灰、塩分、黄砂など様々なものが付着します。航空機の性能維持や美観向上に不可欠な機体の洗浄作業は、これまですべて手作業で行われていました。大きな機体を専門スタッフが長い柄の付いたモップや専用洗剤を用いて洗浄します。JALでは機体の洗浄を90日ごとに行っており、成田では作業員8人が夜間に6時間かけて作業しています。

機体の洗浄作業は高所作業をともなう長時間の力仕事です。気温が極めて低い場合に行うドライ洗浄では、使用する有機溶剤や化学物質に直接接触するリスクもあります。ロボットの導入は、作業環境の改善や安全性の向上に役立ちます。

JALでは、成田で機体を洗浄する作業員の数は30名。そのうちの3名がロボットの操作のインストラクター教育を受けており、この3人を軸に作業できるスタッフを広げていきます。メーカーのカタログ値では、本ロボットの導入により機体洗浄作業の工数を1機あたり最大4割削減できるとのこと。JALでは今後、実際に現場で運用する中で効果の検証を重ねていきます。成田空港での運用を皮切りに、国内他空港においても導入を検討し、機体洗浄作業の労働環境改善と品質向上を図りたいとしています。

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