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2017年8月24日から27日にかけて、陸上自衛隊が「平成29年度 富士総合火力演習」を実施しました。この演習は、陸上自衛隊の国内最大規模の実弾演習で、毎年、静岡県御殿場市の東富士演習場で行われています。最終日の27日の演習は広く一般にも公開されますが、戦車やヘリコプター、様々な火砲などによる実弾射撃を間近に見る事ができるので、陸上自衛隊が行うイベントの中では最も人気があります。入場料は無料で、インターネットで事前に応募し抽選で当選するとチケットがもらえるのですが、今回の当選倍率は約29倍でした。

90式戦車の実弾射撃

90式戦車の実弾射撃

戦闘ヘリ AH-64D アパッチ

戦闘ヘリ AH-64D アパッチ

富士総合火力演習 後段演習のクライマックス

富士総合火力演習 後段演習のクライマックス

トラベルオンラインニュースでは、26日の予行演習(昼間、夜間)と27日の本番演習(昼間)を取材しましたので、その様子をご紹介します。

26日、27日とも、昼間の演習は前半と後半の2つのパートで行われました。

前半(前段演習)は、陸上自衛隊が保有する主要装備品の紹介でした。特科火力と呼ばれる遠距離射撃が可能な大砲や迫撃砲から始まり、誘導弾(いわゆるミサイル)、機関銃、ヘリコプター、装甲車、戦車まで、数多くの装備品が紹介され、その走行性能や射撃性能を披露しました。

新しい装備品としては、戦車並みの火力があり時速100kmで高速走行できる16式機動戦闘車(MCV)と、離島防衛を目的とした水陸機動団に配備される水陸両用車(AAV)が登場しました。

16式機動戦闘車(MCV)

16式機動戦闘車(MCV)

水陸両用車(AAV-7)

水陸両用車(AAV-7)

<前段演習で紹介された装備品>

遠距離火力
特科火力
・99式自走155mmりゅう弾砲
・203mm自走りゅう弾砲
・155mmりゅう弾砲(FH70)
中距離火力
迫撃砲
・81mm迫撃砲 LT
・120mm迫撃砲 RT
誘導弾
・87式対戦車誘導弾
・中距離多目的誘導弾
・96式多目的誘導弾システム
近距離火力
対人障害
・指向性散弾
普通科火力
・軽装甲機動車(LAV)
・96式装輪装甲車(WAPC)
・96式40mm自動てき弾銃
・12.7mm重機関銃
・89式5.56mm小銃
・5.56mm機関銃(MINIMI)
・06式小銃てき弾
・84mm無反動砲
・110mm個人携帯対戦車弾
・01式軽対戦車誘導弾
・89式装甲戦闘車(FV)
ヘリコプター火力
・対戦車ヘリコプター(AH-1S・Cobra)
・戦闘ヘリコプター(AH-64D・Apache)
対空火力
・87式自走高射機関砲(87AW)
戦車火力
・74式戦車
・90式戦車
・10式戦車
機動展示
・16式機動戦闘車(MCV)
・水陸両用車(AA7V)
空挺降下
・自由降下
・自動索降下

後半(後段演習)は、離島に敵部隊が上陸しそれを奪還する想定のシナリオに基づく演習でした。

昼間の演習の最後には、各種装備品が演習場に展示され、観客が間近でそれらを見学することができました。

装備品の展示(155mmりゅう弾砲(FH70))

装備品の展示(155mmりゅう弾砲(FH70))

装備品の展示(10式戦車)

装備品の展示(10式戦車)

26日の夜間演習は、自衛隊が保有する各種暗視装置を紹介した後、3つのパートで行われました。第1部は暗視装置を使った機関銃、戦車、装甲車などの射撃演習、第2部は照明弾を使った射撃演習、第3部は夜間の防衛戦闘を想定したシナリオに基づく演習でした。

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